盛岡バスセンターの今、昔、そしてこれからを
様々な視点で読み解くルポルタージュ
vol.5 サウナ編
「密かな人気の『KANAN SPA』」
ホテル・マザリウムが運営する、温浴施設「KANAN SPA」。フィンランド式サウナを備え、セルフロウリュを堪能したり外気浴もできるとあって、サウナ好きの間でじわじわ人気が高まっている。
フィンランド式サウナが
全国のサウナーに秘かな人気。
3階のホテルマザリウム内には、気軽に誰もが楽しめる温浴施設「KANAN SPA」がある。当初は観光客の利用を中心に想定していたが、それだけでなく近隣住民の皆さんも愛用。まちなかにできた隠れ家スポットは、旅行者が地域とつながる交流の場にもなっているそうだ。
開放的なフロントの奥にある温浴施設。
「日中のお風呂利用者は地元の方が多く、特にご高齢者は、冬場に遠方へ出かけることが難しいため“家のそばに風呂をつくってくれてありがとう”と言われることもあります。肩こりで困っていた方からは、湯の温度が低い炭酸浴にゆっくり浸かったことで徐々に腕があがるようになってきたと感謝の言葉をいただいたり。地元の皆さんにとって憩いの場になっているのを間近に見られることが、私たちスタッフも嬉しいですね」と支配人の藤井直輝さん。
ラフなユニフォームと柔らかな笑顔で迎えてくれる藤井さん。
盛岡のまちなかで“ととのう”
サウナ旅ができる!
県外からの宿泊客の中には、サウナを目当てに来る方も多く、秘かにサウナー(サウナ好きを指す)の間で、穴場スポットとしてじわじわ話題になっているという。
「KANAN SPA」の特徴は、本格的フィンランド式サウナを備えていること。室内の照明をやや暗めにしている点も、サウナに集中できると利用者に好評だ。フィンランド式サウナの代名詞ともいえるのが“セルフロウリュ”。90度以上に熱したサウナストーンに、お客さんが自ら水をかけて蒸気を発生させるもので、ちょっとしたアトラクションのようでワクワクする。また、白樺の葉を乾燥させたヴィヒタも用意しており、これで体を叩くように刺激すると血行も良くなり心地よい香りが楽しめるそうだ。肌に柔らかい地下水を利用した水風呂、外気浴スペースを備え、まさに本場のサウナスタイルを体現している。
まずはチケットを自販機で購入。
男女の湯には、それぞれヘラルボニー作家の暖簾が。
明るく清潔感ある脱衣所。
やや温度が低い炭酸泉と普通湯の2湯を楽しめる。
一方で、外気浴中に聞こえるのは、バスの発着音や通りの信号音。サウナの外気浴といえば自然あふれる森林のイメージがあるが、盛岡バスセンターならではのBGMを聴きながら“ととのう”時間は、観光客にとって忘れがたい体験になりそうだ。
サウナルームの照明は暗めに設定。
ロウリュをする前には、ご利用者で一声かけるのがマナー。
水風呂は体に優しい地下水を利用。
外気浴スペースにはヴィヒタの香り。
タッチパネル式で最新型のコインランドリーは、宿泊者だけでなく地元の人も利用。
そして、ゆっくりお風呂を堪能したあとは、野田町の“のだ塩”ソフトクリームや矢巾町のりんごジュース、葛巻町の牛乳など、県産ドリンクやデザートをぜひ味わってほしい。隣接するカフェや屋外テラスでも、多彩なイベントが少しずつ始まっており、カフェスペースで音楽を聴きながら一休みするのもおすすめだ。宿泊してもしなくても楽しめるのが、この場所の良さ。3階フロア全体が、地元の幅広い世代と県内外の旅行者やビジネスマンが自由に混ざり合い、どこか異国のまちを訪ねたような空気に包まれる。
バスセンターの中にある「KANAN SPA」は、まちなかのリラックス空間であるとともに、市内、県内外全方位に出向く情報チャージの場。盛岡らしさを感じるサウナ旅、ここからはじめてはいかがだろうか。
県内のおいしいものも少しずつ紹介する予定。
自由に使えるサロンには県産工芸品なども並ぶ。
■ KANAN SPA
炭酸泉と普通湯のお風呂、サウナ、ボディメンテナンスサロン、コインランドリーを併設。宿泊の方は無料で入浴可能。日帰り入浴の方もタオルやバスタオル無料、仕事帰りや旅行の途中に手ぶらで入浴できる。料金詳細は公式サイトを参照。